ソバの形状を知り、手打ちに役立てる
石臼で碾かれたソバは、とても小さな存在ですが、そもそもそば打ちというものは、タンパク質や水滴やソバの粒子といった、ミクロン〜サブミクロンのレベルの実体として存在するメンバーが関わる事象です。そば打ちの基本動作である「水回し〜くくり/こね〜のし」などの作業は、これらの物質の物理的形状を活かしながらより良い製麺を行うために、そば打ち人はどのような諸相に留意すべきかを把握しておくべきだと思います。
これらの画像を想像力を働かせながら眺めていると、どうしたらより良いそば打ちができるかのヒントが浮かんできます。
ちなみに、水の分子の直径は、一粒のそば粉の直径の数千分の一です。水回しは、これらの画像に見られるそば粉の空隙にいかに効率良くかつ均一に水の分子を押し込むことがポイントになります。こね(練り)は、正しく水回しされたそば粉の「タンパク質」の粘性を、有効な物理的操作によって最大に引き出すということが目的になります。
ソバ粉(走査型電子顕微鏡の画像、提供:サイエンスワールド)
強力粉(走査型電子顕微鏡の画像、提供:サイエンスワールド)
薄力粉(走査型電子顕微鏡の画像、提供:サイエンスワールド)