蕎麦の知恵袋

●そばに関わる人たちに、そばシーンをリードする川越蕎麦の会と築地そばアカデミーが真に役立つ最先端そば情報をお届けしていきます。

手打ち そば打ち道具

手打ちそば打ちは、正しい道具を選ぶことにより回り道をすることなく短期間での上達が期待できます。また地球環境への配慮や、そば粉という食品を取り扱うにふさわしい安全性についても吟味しておくべきです。
ここでは、手打ちそば道具のなかでも重要な、そば切り包丁、こま板、こね鉢、ノシ板、麺棒、そば厚みゲージについてご説明します。そば道具は将来の上達を見越して、ワングレードか2グレード上の品を検討することが、買い替えを抑えることができ、結局はお得です。
そばの生地をそば切りにする際の包丁で、そば包丁とも言います。
片刃の和包丁の刃をベースとしてデザインされ、長い麺線を切るために手で持つところが刃の重心近くにある特殊な形状をした包丁です。柄の真下にも刃が手前に伸びてきていて、持ち手の中指が干渉するところは、マチグリと呼ばれる曲線の欠込みとなっています。このように長い刃の真ん中あたりをバランス良く持ち上げるようになっているデザインが現在の主流です。また横幅1mm未満の微妙なコントロールが求められるため、片刃でなければなりません。
包丁のデザインの良し悪しは、持ったときのバランスにあります。片刃のそば切り包丁の仕事は、麺を切っている間、刃を垂直に保つことにあり、バランスの良いそば切り包丁は、持ち疲れせず大量の麺も楽に切ることができます。
選び方は、バランス重視とし、持ち心地が軽いものがポイントです。鋼材は、伝統的な日本刀や和包丁専用の「安来鋼」を用いるものが最高級品とされており、青二鋼や青一鋼は硬度があり、切れ味に優れています。
このほか、錆びにくいモリブデン鋼の包丁があります。錆びにくいので手入れも簡単で、うどん打ちにも兼用できますので、入門〜中級程度の方までに気軽にお使いいただけます。
そば切り包丁の代用としては、菜切り包丁など、ある程度高さがあり、刃が直線に近いものが使いやすい。菜切りを新調しておくと、薬味切りなどにも使えて便利です。
麺切り台(カットカット麺切り台)も人気がありますが、基本的にはうどん用に開発された製品なので、職人さんの手切りのような繊細な細さに切ることは難しいです。
川越そばの会のそば切り包丁売場をご参照ください。
そば切り包丁/安来鋼の説明はこちらです。

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手打ちそばを切るときに使うのが、こま板です。そば切り包丁をまっすぐに送るガイドの役割をする道具です。素材は、桐、檜、カリン、スギなどがあります。
築地そばアカデミーでは、枕の部分に黒檀の堅い素材を用い、本体に桐を使用したこま板を使用しています。桐材なので軽快で、麺帯にも優しいのがポイントです。枕の高さを18mmとしたものが標準で、細切りにも対応でき本職の方にも好評です。
こま板の幅は、長い麺とするためにしっかりと横幅を出す築地そばアカデミー方式の畳み方に対応できるよう、1.25kg玉が切れる標準的な9寸(270mm)、1.5kg用の一尺(310mm)、2.0kg用の一尺2寸(350mm)(尺二包丁専用)があります。また抑える手の位置を明確に示したポジショニング・ガイド付きも用意しました。このガイドには、切った麺線の太さを測るゲージも刷り込まれており、高品質なそば切りに役立ちます。
川越そばの会のこま板売場をご参照ください。
《アマチュア向け》鉢の大きさは、一尺六寸(外径480mm)以上がお奨めです。小ぶりなこね鉢ですと、そば打ちで最も大切な「水回し」の作業が困難になります。特に手の大きな男性には大きめの鉢を使っていただきたいです。
一尺四寸(外径415mm)は、500g玉、一尺六寸は700g〜1kg玉、一尺八寸(外径540mm)は、1kg〜1.5kg玉に適しています。鉢は、大は小を兼ねます、両手を使って水回しができるサイズをお選びください。
素材は、合成樹脂系とステンレス系があり、お好みで選んでよいでしょう。ステンレス系は持ち運びが便利、そば粉の自家製粉、味噌作り、パン捏ねなどにもお使いいただけます。
《業務用》これまでは栃や桂など、高樹齢の天然木を切り出してくりぬいて用いる木鉢が伝統的な道具でした。
築地そばアカデミーでは、より高機能で、しかも地球に優しい道具として信頼のSUS304(18-8ステンレス)を用いたこね鉢を開発。数多くのプロのニーズに応えています。 外径625mm、内径535mmのこね鉢は、従来の木鉢に換算すると、二尺の鉢に相当。高さは約155mmですが、通常のこね鉢と異なり、厚みがありませんので、実際にこねると深さもゆったりしています。そのため、専用の置き台を必要とせず、ノシ板の上でこねる作業が行えます。
ロールアップ仕上げとなったフチは腕に擦れ合うこともなく、快適にお使いいただけます。変わりそばなど湯ごねをするときは、粉を冷ます段階で、鉢の底にスペーサーをかまして鉢を浮かせることにより、鉢の冷却が効果的に行え、品質の高い仕事ができます。
川越そばの会のこね鉢売場をご参照ください。
ノシ板については、思いきり割り切った考え方をしています。
人体に影響するガス(ホルムアルデヒド)を発生しにくいとされる「F☆☆☆☆」規格のシナベニア・ランバーコアを適宜の大きさにカットして、四隅を面取りして提供しています。このあんしんノシ板は、見た目はとてもシンプルですが、安全性と機能については申し分なしです。
同じ素材で、小口を国産檜材で仕上げた寒山拾得ノシ板は、業務用としても人気があります。
そばを打つ量により、サイズをお選びください。業務用は奥行き900mmサイズがお奨めです。
川越そばの会のノシ板売場をご参照ください。
麺棒には、ノシ棒と巻き棒があります。そばを打つ量に関わらず、ノシ棒は750mmをお奨めしています。長い麺棒に比較して精度が高いこと、小回りがきいてノシの作業がしやすいことからこの長さになりました。 巻き棒は900mm、1050mm、1200mm、1350mmをご用意しております、打つ量により巻き棒の長さが決まってきます。 材質は、ヒバ、檜、ヒバ材を漆で仕上げた「黒漆仕上げ」の3種類です。
重い麺棒は扱い難いと判断し、軽めのものをお奨めしています。麺棒については、川越そばの会の道具の説明に詳しく記載しておりますので、ぜひご一読ください。そば道具の説明
川越そばの会の麺棒売場をご参照ください。
  • サイズとセットについて

■手打ちそば道具セット

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こね鉢と麺棒とノシ板は、打つ量によりサイズを選ばれると良いと思います。 こね鉢が小さいのにノシ板が極端に大きかったりしますと場所をとるだけになってしまいます。
【サイズについて】鉢とのし板と麺棒のサイズは、どの位の量のそばを打つかによって決まります。
打つ量こね鉢麺棒ノシ板
500g一尺四寸(外径420mm)750mm1本600×750mm
800g一尺六寸(外径480mm)750mm1本/
900mm1本
900×900mm
1kg一尺八寸(外径540mm)750mm1本/
1050mm2本
800×1200mm
※1,5kgであれば1200mm巻き棒が2本必要です。
川越そばの会のそば打ちセット商品は、こね鉢、麺棒、ノシ板のサイズを過不足なく組み合わせております。
川越そばの会のセット売場をご参照ください。
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正確な四角が出せれば、麺のロスが減り、なによりも切り揃った美しい麺線が期待できるというもの。それには、どうしたらよいでしょうか?なんと、そばを玉にしたあと手で「のす」工程が、すでにこの仕上りに影響を与えているのです。築地そばアカデミーでは、このポイントに着目。手でのす工程では、打ったそばが何グラム、あるいは何キロであろうが、15mm〜13mmの厚さに均等に「のす」ように指導をしております。そのあと、一旦8ミリに厚みを調えて、角出し(かどだし)工程の直前に5mmの厚さの真円になっていれば大丈夫。この確認のために開発されたのが、頼りになる「そば丸出し厚みゲージ3枚組」なのです。手ノシ(つぶし)と角出し前の厚みを計測すると、見事に四角い麺帯がノシあがるというわけです。
さらに、麺線を整える仕上げ工程である本のしも、正確な厚みゲージで計ればより整ったそばに仕上がります。そのためのゲージが「本のし厚みゲージ」です。初心者の方はもとより、中級〜上級者の方にもぜひお使いいただきたいゲージセットです。
川越そばの会の厚みゲージ売場をご参照ください。
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